タイ国内で日本人旅行者相手に頻発しているトランプ賭博詐欺手口の全貌が明らかに!~後編~

今も脳裏から離れない言葉「ハンドレッド パーセント ユー ウィン(100%お前は勝つ)」

「シスターが日本の友達に手紙を書いたので見てほしい」という理由でタイ人男性の家に連れてこられた筆者ですがシスターは家にはおらず、カジノ船で働くアレックスという男に誘われてトランプ遊びをすることになりました。ブラックジャックをしようということになり、お前を100%勝利に導かせることが出来ると言われました。

その時にアレックスから言われた言葉は

「ハンドレッド パーセント ユー ウィン。Hundred percent you win. (100%お前は勝つ)」

シスターはまだ来ないのか!?今度は大金を勝ち逃げしたブルネイ婦人登場!

筆者がブラックジャックで勝ちパターンを身に付けてきた時、アレックスがこう打ち明けました。

「昨夜はブルネイ人にこの勝ちパターンを伝授し、大金を儲けさせた。賞金を折半すると約束していたのに奴は一人勝ちして全額持ち帰ってしまった。この後奴がココに来るから賞金を取り戻したい。協力してくれ。全戦勝利だと怪しまれるから時々奴にも勝たせる。でも最後はお前が勝つ。ハンドレッド パーセント ユー ウィン。」

筆者がアレックスの問いかけに返答する間もなく、ブルネイ人の婦人が部屋に入ってきました。その出で立ちは耳、首、腕の至る所に宝石を身にまとい貴婦人そのものでした。

筆者vsブルネイ婦人、一騎打ちのゴングが鳴らされる!

ちょっと待って!エキシビジョンマッチじゃなくて公式戦!?なんで本物のタイバーツ使っちゃうの・・・。

考える間もなく、筆者vsブルネイ婦人のブラックジャックゲームが始まりました。

そこで最初に驚いたことが、今までは架空紙幣で遊んでいたところですが、この回から本物のタイバーツ紙幣を使って勝負をしていました。

筆者が3回勝って、婦人が1回勝つ。ゲーム毎の勝負が付いた時の婦人のリアクション、悔しがり方や喜び方がややオーバーで、こいつ演技じゃね!?と内心疑っていました。

掛け金は数万バーツまで跳ね上がり、遂には日本円までも没収!詐欺だあ!!!

そんなペースでゲームは進んで行き、掛け金も数百バーツ、数千バーツ、数万バーツと跳ね上がって行きました。

筆者のタイバーツ札が底をつきました。そのことを伝えると日本円はないのか?と言ってきました。両替用に持っていた5万円札を取り出すと、婦人もタイバーツ札が底をついたのか分厚い米ドル札を出してきました。

そしてアレックスが、これがファイナルゲームだと言ってきました。次の瞬間、筆者の5万円札と婦人の米ドル札の束は鍵付きの金庫に一時的に没収されました。

この時、ようやく筆者は今まさに目の前で繰り広げられていることがトランプ賭博詐欺であることに気づきました。旅行雑誌のタイで気をつけるべき詐欺被害のページにしっかりと掲載されていたことを今更ながらに気づきました。

恐怖に震えながらもとっさに思いついた言葉は『ノーコンテスト!』 プロレスよ、この言葉を私に授けてくれてありがとう!

続けざまにアレックスは筆者に、お前の5万円では婦人の米ドル札には釣り合わない。クレジットカードは持っていないのか?ホテルはどこだ?と質問してきました。

当時の筆者はまだクレジットカードなんか持っていませんでした。ホテルまで突き止められたら終わりだな。と思い始めたと同時に恐怖で足がガタガタと震え始めました。

このまま旅行費全額を奪い取られてしまうのか。なんとか取り返す術はないのか。タイ語はもとより英語でも伝え方が分かりません。なんとかこのゲームをやめさせたい。恐怖に駆られながらも必死で考えました。

ふとある単語が頭の中に入ってきました。“ノーコンテスト”

筆者は中高生の頃、プロレスをよく観ていました。反則技などで試合の収拾がつかなくなった時にゴングが打ち鳴らされました。その試合は“ノーコンテスト”の裁定が下されました。

この“ノーコンテスト”がこの場面で相手に伝わるのかは分かりませんが、とにかく何か言葉を発しなければ、意思表示をしなければ。

筆者は思い切って『ノーコンテスト ディス ゲーム。ノーコンテスト。ノーコンテスト。』

顔を大きく横に振り続け、腕は×印を作り、叫び続けました。声は震えていました。

もしかしたらアレックスがピストルを持ってくるかもしれない。

そうしたら一文無しになる。

命だけは助けてもらえるのか?

いろんなことが頭の中を駆け巡りました。

それでも叫び続けました。『ノーコンテスト。ノーコンテスト。』

もうシスターなんてどうでもいい!一刻も早くここから脱出せねばならん!そもそもシスターはいるの!?

叫び続ける筆者を見かねたアレックスが呆れた様子で金庫の鍵を解き、筆者の掛け金全額を手渡してきました。

まだ予断は許す状況ではありません。一刻も早くこの家から退散しなければなりません。

カジノ部屋から飛び出した私にタイ人男性が話し掛けてきます。まだシスターがお見舞いから帰ってきてない。手紙を見てほしい。と。

筆者はまだ恐怖心で一杯でした。この男性もまた筆者にけしかけてくるかもしれない。

何て伝えていいのか分からず『ソーリーSorry、ソーリーSorry』とだけ言いながら家を出ました。男性は送っていくと言い、外に出てきました。玄関前にはタクシーが1台待機していました。

不自然なタクシーだ。もう全てが信じられなくなっていました。

早足でその場を離れ、流しのタクシーを拾いました。この場所がどこかも分かりませんでした。最寄りの電車の駅までと伝えると着いた先はMRTラマ9世駅でした。

寸前で詐欺被害を免れたものの、あの『ノーコンテスト』コールがなければ、旅費全額没収の恐怖!

その晩、知人に事の一部始終を伝えると、陽気な知人は「ワハハ無事で良かったね」とサラッと言っていました。

それ以来、異国の地では見知らぬ人には付いていかないと強く心に誓いました。

筆者自身は被害に遭う直前で回避することが出来ました。

皆さんも詐欺被害に遭わぬよう十分ご注意の上、タイ旅行を楽しんでください。

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